【ナシゴレン通信#14】閉ざされた楽園・静寂のバリでひとりぼっち

コロナ騒ぎが起きてから、初めてちょっと落ち込んだので今日は素直にその気持ちを吐き出します。


バリにいたってひとりぼっちじゃ楽しくない!


昨日、外務省が定める危険情報が全世界で危険レベル2に引き上げられました
(参照:外務省 海外安全ホームページ


そしてジョグジャにいた日本人留学生仲間、ついに全員の帰国が決まりました。

ほんとにこの1,2週間で突然インドネシアの状況が変わり、強制帰国の波が来て。
昨日までこっち側にいた人が次の日にはあっち側に、一人また一人と帰ることに。

そして危険レベルの引き上げを受けて(私の中で)最後の2人だった内の1人が昨夜、そしてもう1人とはさっき電話をして、帰国を決めたとの報告を受けました。


私がバリに来てからも時々連絡を取り合い、残りの半年で互いに行き来して再会するのを楽しみにしていたのに…。

 

彼らがやり残したものを抱えたまま、止むを得ず日本に帰っていく様子を見るのは悔しかったし、この数日連絡を取り合って、状況を確かめ合ってたみんなが帰ってしまうのは本当に悲しい。

1番悔しくて悲しいのは彼ら自身だけれど

 

正直、海外にいる人の心境は日本からじゃわからないし、わたしだって日本の状況はわからないし。

だから今、一緒に海外にいて、中でも同じ街で同じ時間を過ごしたジョグジャの仲間達の存在は大きくて、別の地域に移ってからもすごく支えになっていただけに、彼らが一人残らず帰ってしまうというのはとても心細い

 

強制帰国はないけれど…

 

一方で、大学の管理外にいて自分で自分の進退を決められる身である自分は、ちょっと申し訳なさというか、そんなことで彼らは何も思わないのはわかってるけど!
それでも残れる人がいたら「良いなぁ…」と思ってしまうその気持ちもわかるから、なんというか相談しにくかったところもあって。

 

もともと今、私は別の島にいて、政治も経済の成り立ち方も、コロナの蔓延状況もジャワとは全く異なる場所にいる。

だから帰国の必要性も全く違うので別にいいのだけど、その分余計に判断が難しいし。
周りにいるのはもっと年上で長くこっちに住んでたり、家族がいたり、日本との関係性が私とはまた違うし、だからそうゆう意味でやっぱりちょっと距離があって、独りどうしたらいいのか迷うばかりで…。

 

幸いにして、うちのホテルもしばらくクローズになり、外出禁止令が出たけれど、私のインターンの仕事はある。続けられる。

外国人が沢山訪れる島だから、早くに措置を取ったバリ州政府のおかげか、街は静かで産業の打撃は大きいけれど、ウブドの端っこに住む私の生活は平穏なまま。

いま街に出て、空港を通って、日本に帰るよりも、ここでこのまま過ごす方が私にとっても安全だし
バリと東京、どっちの方が感染者が多いかは知らんけど、長距離移動をしないことの方が社会にとっても安心だし

これが帰国したくない自分が作った恣意的な論理なのかどうかも、もはや自分では判断できないけど。


とりあえず私は現状問題はないし、予定通り7月末に帰ればその頃には色々収まってるだろう(と信じてる)し、変わらずここに居よう。
って騒動始まってからずっと思ってたんだけど…

 

この週末にインターンの先輩だった颯さんが1年の任期を終えて日本に帰り、もう一人20代の社員だったAudreyがチームを去ることもあって、いよいよ若者が私一人になっちゃうなぁとかいうのもあって…。

結構、この「ひとりぼっち」感に打ちのめされてます…。

 

バリ島で感じる孤独

 
バリ来てからずっとこの孤独感は消せなくて、
もちろん周りに頼れる人は沢山いるんだけど、ジョグジャのように学生(国籍は問わず)がいるエリアじゃないし、同世代の友達がなかなか見つけられなくて…
インドネシア語を頑張りつつ、何とかあちこち開拓はしてみてるんだけど。

なんか今回ので完全に追い打ちをかけられた感じで。

 

いつもなら悩んでも苦しくても、青空にそびえるヤシの木と、色とりどりの花の香りが濃厚に混ざった空気と、燦燦と降り注ぐ太陽の光と、穏やかに生きるバリ人に囲まれてるとTidak apa apa(大丈夫!)」精神が内側から湧き上がってくるんだけど。


なんだか今日は、このウソみたいな、非日常感たっぷりの私の日常の中に居ても、気分が晴れなくて。


周りの帰国が決まり始めてから抱いた
「当たり前のように思えたこの日常も、いつまで続くか分からないから」
「泣く泣く帰った仲間の分まで、無駄にしないようにちゃんと頑張らないと」
そんな気持ちもちょっとプレッシャーになり。

まだ仕事も出来ないこと沢山あるし、一生懸命食らいついてるとこだから、ちょっと休んだり息抜いたり、いつもよりスローに進んでいきたくて…

正直、帰らなきゃいけなくなったみんなの分までとか背負うのは重くて。

 


と、ずいぶん盛り下がった様子を書いてきたけど、本当は今はもう少し気持ちが落ち着いてきています。

これを思い始めた昼下がりはもっとブルーで、そっから友達と少し連絡を取って、ホテルのスタッフ達(インドネシア語が主なのでまだ十分にお喋りは出来ないけど、年は近いので大事な存在)とギター弾きながらちょっと駄弁って、ごはん食べて、シャワー浴びて、そんで言葉にして吐き出したらずいぶん楽になりました。

 

悩んだとしても、自分の事は自分で決めたい。
どこかから通達が飛んできて、自分の意志に反して行動を決められるより、自分に選択権がある方がどれだけ望ましいか。


そして留学に来てるのにオンライン授業になった、今帰国すれば新学期から復学できる、という状況とは異なり

やりたいことがあってバリに来て、まだそれがリモートを入れつつ続けられる状況。
かつ帰国してからも休学を続けることは決めていて、そこでやりたいことは "人が集まる" ことから始まり、現場に実際にいないと出来ないこと。それをこの自粛ムードの中で進めるつもりはないこと。

を鑑みて、私は退避勧告が出されるまではバリに残るのがベストだと思っています。


またジョグジャでお世話になった現地採用のお姉さまたち(ドネシア留学の先輩であり、年も近くて頼れる社会人!)も、「不安は感じるけど引き続きインドネシアで仕事を続ける」という報告をSNSなどでしてくれてるのを見て、二重でほっとしたのもあり。


ほんとはちょっと考えるのを放棄して『エポケー』したかったんですが、なんせバリは今日ニュピ延長で丸2日おうちに籠ってるので、色々考えざるを得ず…。


まあこういう不安・戸惑いも含め、バリでの挑戦の足跡として残しておいてもいいかなと思ったので、公開します。

 

世界を繋ぐSNSの網の中で 

 

長々と書いたついでにもう1つ思ったことを。


留学中も今も、SNSで簡単に連絡を取れることで支えられている部分がたっくさんあります。
しんどくなって思わずこぼした言葉を、誰かが拾って励ましてくれる。

昨日は同級生たちの卒業式が多かったようで、インスタに溢れる晴れ姿と春の気配にこちらまで暖かな気持ちになりました。


だけど一転、夢半ばに帰国する仲間や出入国規制に巻き込まれる人のヘルプがFBで流れ、海外各国/都市のロックダウンや、若者が率先して行う外出自粛の動きをニュースで見ていると、水を差したくはないけれど警戒心の薄い日本の若者・大人達の "アクティブ" な様子に残念な思いが込み上げてもきます…。

 

世界にはいつだって笑ってる人も泣いてる人も怒ってる人もいる訳で、それぞれの世界があるように見えるけど、だけどほんとは世界は一つの地球な訳で…。

日本と他の国と、あちこちの情報が入ってくるとちょっと混乱気味。
もしこれがグローバルに社会を捉える、ということなのだとしたらわたしにはちょっと無理かも、、、なんて思ってしまいました。

 

はああ、なんだか色んな事を考えさせられる時期ですね。

そんなこんなで長いように思えた ”ゆるロックダウン” の2日間ももうすぐ終わり!

気を取り直して、今できることをしかとやっていきましょう。

 

さらっと流してしまったニュピのことはまた改めてお伝えしようと思います。

 

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